目次
既婚者が社内不倫をして、離婚や慰謝料請求などのトラブルに発展するケースは非常に多いです。
肉体関係を伴う不倫は「不貞行為」に該当し、民事上は違法な行為なので、発覚するとさまざまな危険性にさらされてしまいます。
この記事では、不倫の原因や社内不倫の危険性をご紹介した上で、慰謝料問題について詳しく解説します。
よくある不倫の原因
よくある不倫のきっかけとして、次のようなものが挙げられます。
- 職場
- 飲み会や合コン
- 友人や友人からの紹介
- SNSやマッチングアプリ
- 飲み屋
- スポーツクラブ
- ナンパ など
その中でも、職場の人間関係を背景とした「社内不倫」の割合が最も高いと言われています。
社内不倫が発生する原因もさまざまですが、主に次のようなものが挙げられるでしょう。
- 仕事ぶりを見て惹かれる
- 同じ職業のため価値観や話題が合い、会話が弾む
- 仕事上の悩みを共有し、精神的な距離が縮まる
- 飲み会などの社内イベントで親しくなる
- 残業や出張などで2人きりになることがある
社会人になると、会社で過ごす時間が長くなる人が多いでしょう。同じ会社で目標を共有する上司や同僚、部下とは親密になりやすいものです。
このような背景から職場結婚に至るケースも多いですし、既婚者にとっては社内不倫に至るケースも少なくありません。
【参考】慰謝料請求のポイント9つ
社内不倫が発覚した際の危険性
社内不倫は通常、秘密で行われるものですが、職場の人や配偶者に発覚してしまうことも多々あります。その場合には、以下のような危険性があることに注意が必要です。
離婚問題に発展する
不倫をしたとなると、配偶者から離婚を突きつけられることもあるでしょう。
不貞行為は法定離婚事由のひとつなので、配偶者の離婚意思が堅い場合には、離婚を回避することは難しいと言わざるを得ません。
慰謝料を請求される
自分が離婚原因を作った場合には、配偶者に精神的損害を与えたことになりますので、離婚するかどうかを問わず、配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。
不倫相手も既婚者の場合には、不倫相手の配偶者からも慰謝料を請求される可能性があることに注意が必要です。
解雇などの懲戒処分を受ける
社内不倫によって会社の風紀や秩序を乱したり、業務運営に悪影響が及んだりした場合には、懲戒処分を受けるおそれがあります。
最も重い懲戒処分は解雇ですが、解雇を免れたとしても、降格や減給などの処分を受ける可能性はあります。不倫した2人を引き離すために、転勤や部署異動を命じられることもあるでしょう。
昇進や昇給に支障が出る
懲戒処分を免れたとしても、昇進や昇給に支障が出る可能性は十分にあります。
仕事をきちんとこなしていたとしても、不倫をしたことが査定でマイナス要素として評価されてしまい、昇進・昇給が見送られるおそれがあるのです。
社会的信用を失う
会社で特に処分を受けなかったとしても、社会的な信用を失うおそれがあります。
一般的に不倫は道徳に反する行為であると考えられているため、上司や同僚、部下からの信用を失う可能性は高いです。噂が広まれば、取引先やクライアントからの信用を失うこともあります。
社会的信用を失ってしまうと業務を進めにくくなり、業績が下がることもあるでしょう。職場にいづらくなり、退職に追い込まれるケースも見受けられます。
配偶者にばれてしまい、慰謝料を請求された場合の対応
配偶者から慰謝料を請求された場合は、まず、慰謝料の相場を確認しておきましょう。
不倫による慰謝料の相場は数十万円~300万円程度と言われていますが、裁判の実務では、離婚しない場合で100万円~200万円程度、離婚する場合で200万円~300万円程度の支払いを命じられることが多いです。
慰謝料請求を取り下げてもらったり、支払額を少しでも軽減させたりするためには、まず、不倫関係を解消することが先決です。その上で、配偶者に対して真摯に謝罪しましょう。
慰謝料は精神的損害に対する損害賠償金なので、配偶者の怒りの感情を緩和させることで、請求の取り下げや減額が期待できます。
配偶者が不倫の証拠を確保していない場合は放置することも考えられますが、そうすると、配偶者の怒りの感情が増大してしまうでしょう。そのため、離婚したくない場合は謝罪に努めた方が得策です。
しかし、あなたが不倫する前に夫婦関係が破綻していた場合には、配偶者からの慰謝料請求が認められないこともあります。配偶者が先に不倫していたり、DVやモラハラ、セックスレスなどの離婚原因を作っていたりすれば、その事実を主張・立証することも考えてみましょう。
【参考】「すでに夫婦関係が壊れていた」のに慰謝料請求された方へ
配偶者の社内不倫が分かり、慰謝料を請求した場合の対応
社内不倫をした配偶者に対して慰謝料を請求した場合は、まず、話し合いによる解決を図ることになるでしょう。
相手が事実を認めるのであれば、慰謝料の金額はもちろんのこと、支払期限や支払い方法(一括なのか分割なのか、分割の場合は支払い回数など)も取り決めるべきです。
話し合いがまとまったら、証拠を残すためにも書面を作成しておくことも大切です。離婚する場合は離婚協議書を作成することになるでしょう。
離婚しない場合は合意書や誓約書を作成することになりますが、二度と不倫しない旨の制約文言や、約束を破った場合に相手が違約金の支払い義務を負う旨も記載しておけば、今後の不倫を防止する効果が期待できます。
不倫相手に対しても慰謝料を請求できますので、不倫相手に責任を取ってもらいたい場合は検討するとよいでしょう。
なお、慰謝料を請求する場合には、事前に不倫の証拠を確保しておくことが非常に重要です。証拠がなければ、配偶者や不倫相手が事実を否認した場合に、それ以上追及することが困難となってしまうからです。裁判をしても、証拠による裏付けのない主張は認められませんので、慰謝料を受け取れない可能性が高いです。
不倫の証拠としては、2人でラブホテルに出入りする場面の写真や、性行為中に撮影された動画像、メール、LINEのやりとりや日記の記載などで、肉体関係があったことが分かるものなどが有力です。
まとめ
配偶者が社内不倫をしているのではないかと疑わしい場合には、弁護士に相談してみることをおすすめします。事実を確認する方法や、確保すべき証拠の種類、証拠の集め方などについて、具体的なアドバイスが受けられます。
慰謝料請求や離婚請求をする場合には、複雑な手続きを弁護士に一任することも可能です。
社内不倫をして慰謝料を請求された側の方も、弁護士に相談することで、最善の対処法が分かるはずです。
弁護士法人山本総合法律事務所では、さまざまな離婚問題や男女問題を解決に導いてきた実績が豊富にございます。ご相談いただければ、具体的な状況に応じて親身にサポートいたします。
社内不倫の問題でお困りの際は、お気軽に当事務所へご相談ください。