慰謝料請求のポイント9つ
不倫慰謝料を請求する際には知っておくと役立つポイントがいくつかあります。
以下では慰謝料請求する際の重要事項9つを弁護士がご紹介しますので、夫や妻に不倫された方はぜひ参考にしてみてください。
目次
慰謝料請求できる条件
まずは不倫されて慰謝料を請求できる条件を確認しましょう。
夫や妻に浮気されても、必ずしも慰謝料請求できるとは限りません。
不倫による慰謝料を請求するには、基本的に以下の条件を満たす必要があります。
配偶者と不倫相手が肉体関係を持っている
夫や妻と浮気相手が肉体関係を持っている必要があります。肉体関係のないプラトニックな交際の場合、基本的に慰謝料は請求できないと考えましょう。
不倫が始まったときに夫婦関係が破綻していない
不倫が始まったときにすでに夫婦関係が破綻していた場合、慰謝料請求はできません。
時効が成立していない
慰謝料請求権には時効があります。時効が成立すると払ってもらえなくなってしまうので、早めに慰謝料を請求しましょう。
慰謝料請求権には時効がある
不倫の慰謝料請求権には時効があります。
具体的には以下の期間が経過すると時効が成立します。
- 不倫の事実と不倫相手を知ってから3年間
- 不倫があってから20年間
配偶者が不倫していることと不倫相手が誰かがわかったら、早めに慰謝料請求しないと支払いを受けられなくなってしまいます。不倫が発覚したら、なるべく早期に慰謝料請求に向けて動き始めましょう。
慰謝料請求できる相手
慰謝料請求できる相手は「配偶者」と「不倫相手」の両方です。
不倫は「共同不法行為」であり、配偶者と不倫相手は連帯責任を負うからです。
また不倫慰謝料は、配偶者と不倫相手の両方に請求することが出来ます。
どちらか資力の高そうな方へ請求してもかまいませんし、配偶者と別れないなら不倫相手にのみ請求するのもよいでしょう。
慰謝料の相場
不倫による慰謝料の相場は、慰謝料の相場は100~300万円程度と言われることが多いですが、あくまでも目安に過ぎません。婚姻年数が長いほど高額になりやすいと言われていますし、不倫が発覚したことにより離婚に至ったか否かも慰謝料の額に影響すると言われています。
他にも慰謝料の金額に影響を与える事情として様々なものが指摘されていますが、例えば、以下のような事情が指摘されています。
不貞行為の内容と程度・期間
頻繁に不貞行為を行っていた(肉体関係を持っていた)場合、不貞が行われた期間が長い場合などには慰謝料が高額になると言われています。
浮気以前の夫婦関係
婚姻関係が破綻していたとまでは言えなくても浮気が始まる前に夫婦関係が悪化していた場合、慰謝料は低額になると言われています。
慰謝料請求の手順
浮気相手に対する慰謝料請求は以下の手順で進めましょう。
- 1.浮気の証拠を集める
- 2.相手に対し、内容証明郵便で浮気慰謝料の請求書を送る
- 3.相手と慰謝料について話し合う
- 4.合意ができたら合意書を作成する
- 5.合意書を公正証書化する
- 6.慰謝料の支払いを受ける
特に事前の証拠集めや合意書の公正証書化などは非常に重要です。
合意できない場合には、訴訟を起こして請求しなければなりません。
求償権について
不倫慰謝料を請求するときには、求償権についても知っておくべきです。
求償権とは、連帯債務者が自分の負担部分を超えて支払ったとき、他の連帯債務者へお金の返還を求める権利です。不倫相手が慰謝料を払ったら、不倫相手は(一緒に不倫をした)配偶者に求償権を行使できる可能性があります。
たとえば夫が不倫した事例において、不倫相手が300万円払ったとしましょう。
この場合、不倫相手の負担部分が100万円であれば、後に夫へ200万円の支払いを求めることができるのです。このようなことが起こると、せっかく不倫相手に慰謝料を払わせても大部分を取り戻されてしまうおそれがあります。
求償権を行使させないためには、不倫相手と合意する際に「求償権の放棄条項」を入れる必要があります。「求償権を放棄する」という文言を入れておけば慰謝料の支払いを受けた後に不倫相手が求償権を行使することが出来なくなります。
接触禁止条項について
不倫された場合、今後一切不倫相手と配偶者にかかわってほしくないケースも多いでしょう。そんなときには合意書に接触禁止条項を入れることが考えられます。
接触禁止条項とは、不倫相手と配偶者がかかわってはならないとする条件を定める条項です。不倫相手と合意すれば、面談だけではなく電話やメール、SNSを介したやり取りなどすべて含めて禁止することも可能です。
ただし職場が同じなどで完全な接触禁止が非現実的な場合には、「プライベートでは接触しない」などの条件を設定することが必要になると思います。
公正証書について
慰謝料の合意書は公正証書にするようおすすめします。
公正証書とは、公証人が作成する公文書の一種で、当事者のみで作成した文書よりも強い法的効力が認められます。
公正証書に「強制執行認諾条項」を入れておけば、相手が期限までに支払を行わなかったときでも、公正証書に基づいて強制執行を行うことで慰謝料の回収を図ることが可能です。
ただし公正証書を作成するには相手の合意が必要です。合意書を作成する際に相手を説得して公証役場に出向いてもらい、合意書を公正証書にしましょう。
弁護士に依頼すると有利に運びやすい
不倫の慰謝料請求は非常に手間がかかりますし、相手と交渉すると精神的ストレスも大きくなるものです。
自分で対応するのが難しい場合や対応したくない場合、弁護士に交渉を依頼しましょう。弁護士が示談交渉をすると有利に話し合いを進めやすくなる可能性が高くなります。
自分で対応しなくて良いので精神的にも楽になるでしょう。
群馬の山本総合法律事務所では、不倫トラブル解決に力を入れて取り組んでいます。お悩みの方がおられましたらお気軽にご相談ください。
Contact