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夫婦ともに高い収入を得る「パワーカップル」が増えています。
経済的に豊かな暮らしを送る一方で、多忙な毎日がすれ違いを生み、不倫トラブルに発展してしまうケースも珍しくありません。
パワーカップルが不倫問題に直面した場合、一般的な夫婦と比べて慰謝料や財産分与の金額が大きくなりやすく、対応を誤ると重大な損失を招くおそれがあります。
本コラムでは、パワーカップルならではの不倫慰謝料の相場感や、離婚時の財産分与で気をつけるべきポイント、慰謝料の請求方法・減額方法について解説します。
パワーカップルの定義と特徴

パワーカップルとは、夫婦がそれぞれ正社員などのフルタイムで働き、双方が平均を上回る収入を得ている共働き夫婦のことです。
はっきりとした定義があるわけではありませんが、世帯年収が1,000万円を超えている、あるいは夫婦それぞれが年収700万円以上を稼いでいるような夫婦をイメージするとわかりやすいでしょう。
パワーカップルには、いくつかの共通した特徴があります。
まず、生活水準が高い傾向にあるという点です。都市部のマンションを購入し、子どもの教育や習い事にも惜しみなく投資するなど、支出が大きい反面、貯蓄や資産運用に回せる余力も豊富です。
しかしその反面、夫婦ともに仕事が忙しく、日常的なコミュニケーションが不足しがちです。
残業や出張が重なるうちにすれ違い生活が当たり前になり、夫婦の関係が薄れてしまうことがあります。
こうした環境下では、職場の同僚や取引先との距離が近くなりやすく、不倫に発展するリスクが高まる要因となっています。
また、パワーカップルは互いに経済的に自立しているため、片方の収入に頼る必要がなく、離婚後の暮らしを見通しやすいという側面もあります。
結果として、不倫が発覚した際に「離婚」という選択に踏み切りやすい傾向がみられるのです。
パワーカップルにおける不倫慰謝料の相場

不倫慰謝料には法律で決まった一律の基準があるわけではなく、個別の事情を総合的に考慮して金額が決められます。
一般的な相場としては、不倫が原因で離婚に至った場合は100万円〜300万円程度、離婚せずに婚姻関係を続ける場合は50万円〜100万円程度といわれています。
しかし、パワーカップルの場合はこの相場を上回るケースが多くみられます。
その主な理由は次の3つです。
第一に、不倫をした側の経済力が高いという点です。
慰謝料を算定する際には、支払う側の収入や保有資産が考慮されます。
十分な支払い能力があると認められれば、それに応じて慰謝料も高額になる傾向があります。
パワーカップルは夫婦双方が高収入であるため、どちらが不倫をした側であっても支払い能力が高いとみなされやすいのです。
第二に、社会的地位の高さです。企業の役職者や医師・弁護士・公認会計士といった専門職に就いている場合、社会的責任の重さから慰謝料が増額される方向に働くことがあります。
第三に、婚姻期間中に築いてきた生活の質が高いことです。
不倫によって失われた精神的苦痛がより大きいと評価される可能性があり、それが金額に反映される場合があります。
こうした事情を考え合わせると、パワーカップルの不倫慰謝料は300万円〜500万円、事案によっては500万円を超える金額が認められることもあり得ます。
もっとも、不倫の期間・回数、子どもの有無、婚姻年数の長さ、発覚後の態度など多くの要素が影響するため、金額はケースバイケースです。
なお、不倫の相手方(第三者)に対しても慰謝料を請求できますが、相手方自身が高収入であれば、やはり支払い能力に見合った高額の慰謝料が求められることになります。
パワーカップルの不倫問題は、当事者全員にとって金銭的インパクトが大きくなりがちだといえるでしょう。
離婚時に押さえておきたい財産分与のポイント

パワーカップルが離婚する場合、慰謝料だけでなく財産分与も大きな争点になります。
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で協力して形成した財産を、離婚時に原則2分の1ずつ分け合う仕組みです。
パワーカップルは分与対象となる総額が大きいため、取り扱いには特に注意が必要です。
最初に確認すべきなのが「特有財産」の問題です。財産分与の対象になるのは、あくまで婚姻中に夫婦が協力して築いた財産に限られます。
結婚前から持っていた預貯金、親族からの相続・贈与で得た資産、別居後に一人で築いた財産などは「特有財産」として分与の対象外です。
パワーカップルの場合、独身時代から個人で高額な資産を保有していることも珍しくないため、共有財産と特有財産の線引きが交渉上の重要な鍵になります。
また、分与割合が修正される可能性がある点にも注意が必要です。通常は2分の1が原則ですが、裁判例の中には、医師やスポーツ選手など本人の特殊な能力や資格によって高収入を得ている場合に、分与割合を6対4のように調整した事例もあります。
さらに、パワーカップルに多いのがペアローンで購入した住宅・マンションの取り扱いです。
夫婦がそれぞれローン契約の主債務者となっているペアローンでは、どちらか一方の判断だけで物件を売ることができません。
離婚後もお互いに返済義務を負い続けるため、相手方が返済を滞らせた場合にはもう一方にも影響が及ぶリスクがあります。
ペアローン付きの不動産をどう処理するかは、離婚交渉でもっとも難航しやすいテーマのひとつです。
加えて、株式・投資信託・暗号資産・ストックオプションなど、保有する金融資産が多岐にわたるケースでは、そもそも「いくらと評価するのか」「いつの時点で評価するのか」という点自体が争いになることがあります。
パワーカップルの離婚では、資産の全体像を正確に洗い出し、適正な評価を行うことが欠かせません。
慰謝料請求の方法

不倫慰謝料を請求する手段は、大きく3つに分かれます。
まず、当事者同士の協議(示談交渉)です。不倫をした配偶者や不倫相手に対して、直接あるいは書面を通じて慰謝料の支払いを求めます。
書面で行う場合は内容証明郵便を利用するのが一般的です。内容証明郵便を使えば、いつ・どのような内容の請求書を送ったかが公的に記録されるため、「そんな請求は受け取っていない」といった反論を封じる効果があります。
話し合いで合意できた場合は示談書や合意書を作成し、可能であれば公正証書にしておくことで、万一の不履行にも備えられます。
次に、家庭裁判所の調停を利用する方法です。
当事者同士の交渉では折り合いがつかない場合に有効な手段です。
調停委員と裁判官が間に入って、双方の言い分を聞きながら解決案を探っていきます。
非公開で行われるためプライバシーが守られる利点がありますが、相手方が出席を拒否した場合は手続きが進まないという弱点もあります。
最終的な手段となるのが、訴訟(裁判)です。
協議でも調停でも解決に至らなかった場合に提起します。
裁判では、不倫の事実を裏付ける証拠をもとに裁判所が慰謝料額を判断し、確定判決には法的強制力が生じるため、相手が支払いを拒んでも強制執行により回収が可能です。
ただし、時間と費用がかかるため、事前に弁護士としっかり相談したうえで方針を決めることが大切です。
どの方法を選ぶにしても、不倫の証拠を早い段階で確保しておくことが極めて重要です。
メールやSNSのやり取り、写真、探偵の調査報告書など、不貞行為の存在を客観的に示す資料が、交渉力や裁判での立証を大きく左右します。
慰謝料減額の方法

一方、慰謝料を請求される側の立場では、請求額が妥当かどうかを冷静に見極めたうえで、減額交渉に臨むことが重要です。
パワーカップルのケースでは、高い支払い能力があることを理由に相場を大きく上回る金額を請求されることも少なくありません。
慰謝料の減額が考慮されやすい代表的な事情としては、まず不倫関係の期間が短かった場合や、肉体関係が一度限りであった場合が挙げられます。
長期間にわたる継続的な不倫と比べると、精神的苦痛の程度は限定的であると評価されやすいためです。
また、不倫が始まる以前からすでに夫婦関係が冷え込んでいた、あるいは破綻に近い状態にあったという事情がある場合にも、慰謝料が減額されることがあります。
不倫が夫婦関係の破綻の原因ではなく、すでに形骸化した婚姻関係の中で起きたものであれば、与えた精神的苦痛は相対的に小さいと判断される可能性があるのです。
さらに、不倫について深く反省し、誠実に謝罪していること、すでに不倫関係を完全に解消し再発のおそれがないことを具体的に示せる場合も、減額方向に働く要素となります。
減額交渉にあたっては、感情的に対立するのではなく、法的根拠に基づいた冷静な主張を組み立てることが求められます。
請求された金額をそのまま鵜呑みにするのではなく、個別の事情を丁寧に整理し、適正な金額を提示することが大切です。
こうした交渉を当事者同士で行うと感情がぶつかり合いやすいため、弁護士に依頼することでスムーズな解決につながるケースが多くみられます。
まずは山本総合法律事務所にご相談ください

ここまでお伝えしてきたとおり、パワーカップルの不倫問題は、慰謝料が高額になりやすいことに加え、財産分与では多様な資産の評価やペアローンの処理など、複雑な法律問題が絡み合います。
慰謝料を請求する側にとっては、適切な証拠を揃え、法的に有効な戦略を立てることが正当な金額の獲得につながります。
慰謝料を請求される側にとっては、過大な請求に対して適正額まで減額できるかどうかが、その後の生活を大きく左右するでしょう。
いずれの立場であっても、動く金額が大きいパワーカップルの不倫問題をご自身だけで対処しようとすると、思わぬ不利益を被ることがあります。
できるだけ早い段階で弁護士に相談されることが、最良の結果への近道です。
弁護士法人山本総合法律事務所は、2007年の設立以来「法律事務を通じて人々の幸せに貢献する」を理念に掲げ、群馬県内の高崎・前橋の2拠点で多くの不倫慰謝料トラブルの解決に取り組んでまいりました。
慰謝料を請求したい方にも、請求されてお困りの方にも、経験豊富な弁護士がお一人おひとりの状況に寄り添い、最適な解決策をご一緒に考えます。
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