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パートナーの浮気や不倫を疑ったとき、身近にある「お金の使い方」に注目する方は少なくありません。中でも、クレジットカードの明細やレシート(領収書)は、不貞の兆候を探る手がかりとしてよく確認されます。
本記事では、これらの金銭的な記録が裁判でどのように扱われるのか、不倫の証拠として有効なのかどうかについて、弁護士が分かりやすく解説します。
不倫の証拠として使われる明細・レシートの具体例
明細書やレシートには、日時や金額、店舗名などの情報が記載されており、不倫の行動を示唆する状況証拠として活用されることがあります。以下に、よくある例を紹介します。
① ラブホテルの利用履歴
- クレジット明細に「○○ホテル」などのラブホテル名が記載されている
- レシートに利用日・時間・料金が明記されている
こうした記録は、配偶者が誰かとラブホテルに入った可能性を示す有力な状況証拠となります。
② 高級レストランでのディナー代
- 二人分以上の食事内容、高級ワインなどの支出
- 平日の夜や記念日でもないタイミングでの利用
家族に説明していない高額な外食費用が複数確認される場合、不倫相手との食事であった可能性が疑われます。
③ 旅行関連の支出
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新幹線や飛行機のチケット
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観光地のホテル利用明細
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レストランでの2名分の食事代
宿泊先が観光地やリゾートホテルであれば、親密な関係を想像させる要素として重視されます。
④ 頻繁なコンビニの支出
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深夜帯におけるコンビニ支出
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同一店舗での頻繁な購入履歴
一見日常的な買い物でも、「誰かと一緒に過ごしている時間帯に買った可能性がある」として、不貞を裏付ける状況証拠として使われることがあります。
裁判では証拠としてどう扱われる?
では、実際にこれらの明細やレシートが裁判で、不貞行為の証拠として認められるのでしょうか。
明細・レシート単体では決定打にならない
クレジットカードの明細やレシートには「誰と利用したか」までは記録されません。そのため、これら単体では不貞の証拠としては不十分とされるケースが多いです。
他の証拠との組み合わせで強力に
明細やレシートが他の証拠と組み合わせることで、証明力が高まることがあります。以下に一例を示します。
明細・レシートの種類 | 組み合わせる証拠 | 推認される事実 |
ラブホテルのレシート | 同時間帯のツーショット写真 | 不貞行為の強い推認 |
レストランのレシート | SNSやLINEのやりとり(予約・感謝のメッセージ) | デートや密会の事実 |
宿泊施設の明細 | GPS履歴・ETC利用記録 | 一緒に旅行した可能性 |
裁判所が重視するのは「性行為の存在」
日本の法律における不貞とは、「配偶者以外との自由意志による性行為」を指します。
つまり、「会っていた」「一緒にいた」だけでは不十分で、肉体関係の存在を推認できる証拠が求められます。
そのため、明細書やレシートは間接的な証拠とされ、写真や録音、LINEのやり取りなどの直接的な証拠と併せて提示することが重要です。
証拠として使うときの注意点
明細やレシートを証拠として活用するには、以下のようなポイントに注意しましょう。
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利用日・時間・金額・店名をしっかり記録する
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スクリーンショットや写真で保存しておく
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不審な支出が継続していないか確認する
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他の証拠と組み合わせて整理しておく
まとめ│明細やレシートは「補強証拠」として有効
クレジットカードの明細やレシートは、不倫の兆候を見つける上での重要な手がかりにはなりますが、それ単独で裁判で不貞が認められるケースは稀です。
しかし、他の証拠と組み合わせることで有力な証拠に変わる可能性があります。
明細を見て不審に感じたら、証拠を適切に保全し、早めに弁護士に相談するのが賢明です。
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