不貞(不倫)の慰謝料を請求されたとき、相手方夫婦が離婚するかどうかによって大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

相手方夫婦が離婚すると慰謝料が増額されますが、離婚しなければ慰謝料の額は比較的低く抑えられるケースが多いためです。

 

この記事では相手方夫婦の離婚と慰謝料請求の関係について解説します。

慰謝料請求をされてお困りの方は是非参考にしてみてください。

 

1.慰謝料の相場は離婚すると高額になる

一般的に不倫慰謝料の金額の相場は、夫婦が離婚すると高額になります。

夫婦関係が破綻してしまったら、破綻しなかった事例よりも被害者)(不倫された人)の受ける精神的苦痛が大きくなるためです。

離婚した場合と離婚しなかった場合の慰謝料相場は、それぞれ以下の通りです。

 

1-1.離婚した場合

慰謝料の相場は100~300万円程度。

夫婦の婚姻年数が1~3年なら100~150万円程度、3~10年なら150~300万円程度、10年以上なら300万やそれ以上が相場です。

 

1-2.離婚しなかった場合

夫婦が離婚しない場合の慰謝料の相場は100万円以下になります。

婚姻期間が長くても変わりません。

 

1-3.別居した場合

離婚しなくても夫婦が別居状態になった場合にはそれなりに高額な慰謝料が認められるケースが多数です。離婚には至らなくても夫婦関係が実質的に破綻に近い状態になったと認められるからです。

 

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2.慰謝料請求されたときの対処方法

不倫慰謝料を請求されたときには、相手の言い値をそのまま払うのではなく「相手方夫婦が離婚するのか復縁(関係修復)するのか」をしっかり見極めましょう。

復縁するなら、慰謝料は低額になります。相手が過大な慰謝料を請求していたら減額させなければなりません。

 

たとえば相手夫婦が離婚しないのに300万円の慰謝料を請求してきた場合、支払う慰謝料は100万円以下に落とすよう交渉するようおすすめします。

 

相手が納得しない場合、弁護士に交渉を依頼しましょう。弁護士が法的な観点から慰謝料の相場について説明すれば、最終的に相手も慰謝料の金額を落とさざるを得なくなるものです。

 

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3.不倫相手と交際を継続する場合の慰謝料

不倫相手と交際を継続する場合には、慰謝料の金額はどうなるのでしょうか?

 

この場合にも、基本的には「夫婦が離婚するかどうか」によって金額が変わってきます。

離婚するなら100~300万円程度、離婚しないなら100万円以下が相場です。

 

ただ不倫相手と交際を継続するなら、交際相手に以下のような協力をしてもらうと有利に交渉を進められる可能性があります。

 

3-1.夫婦関係の状況を知らせてもらう

1つ目に、夫婦関係についての状況を知らせてもらいましょう。

たとえば「離婚する可能性があるのか」「夫婦関係がどの程度悪化したのか」など教えてもらえたら、慰謝料を算定する際の重要な参考要素となります。

「当面離婚する可能性はない」という情報提供を受けたら、それをもとに請求者との交渉で慰謝料の減額を主張できます。

3-2.離婚時期を遅らせる

不倫相手との交際を継続する場合、あえて離婚時期を遅らせてもらう協力方法も依頼できます。

夫婦が離婚すると慰謝料が上がってしまいますが、離婚前なら慰謝料を低く抑えられる可能性があるからです。

3-3.有利な証言をしてもらう

不倫相手と交際を継続するなら、不倫相手から有利な証言を引き出しやすくなります。

たとえば以下のような証言があると交渉や訴訟を有利にすすめやすくなる可能性があります。

  • 不倫が始まった当初の段階から夫婦関係が悪化していた
  • 夫婦関係が悪化した要因には不倫だけでなく配偶者の責任も大きかった
  • 不倫相手は不倫に積極的ではなかった
  • 交際期間が短い、会った回数が短い
  • 夫婦の生活に与えた影響が小さい

 

不倫相手と別れないなら、相手と話し合ってお互いが有利になるように戦略を練りましょう。ただし「反省していない」などといわれて慰謝料を増額される可能性もあるので、デメリットも把握した上で行動すべきです。

 

4.弁護士に依頼するメリット

「相手夫婦が離婚するか」という問題と慰謝料の関係は複雑です。

また不倫相手と関係を継続するとこちらに有利な証言を引き出しやすくなりますが、反面「反省していない」などと評価されるデメリットもあります。

 

不倫慰謝料を請求されたときに状況に応じてベストは対応をするには、不倫や離婚に関する専門知識が必要です。弁護士によるサポートやアドバイスを受けるのが得策といえるでしょう。弁護士の中でも男女問題や不倫問題に力を入れていて実績の高い事務所を選ぶと安心です。

 

群馬の山本総合法律事務所では不倫慰謝料を請求された方への支援に力を入れて取り組んでいます。不倫相手との関係を継続させて良いのか迷われている方、相手から、離婚しないのに高額な慰謝料を請求されて困っている方などは、お早めにご相談ください。