弁護士からの不貞慰謝料請求の手紙を受け取り「どうすればよいのか」とお困りでしょうか?

弁護士の名前で内容証明郵便が届けば、誰もが驚いてしまうかと思います。まずは落ち着いて、相手の主張や請求額を確認するようにしましょう。

請求を無視してはいけません。反対に、請求された金額を慌ててそのまま支払うのも避けてください。冷静に対応するのがポイントです。

本記事では、弁護士から不貞慰謝料請求の内容証明郵便が届いたときの対処法を解説しています。請求がきてお困りの方は、ぜひ最後までお読みください。

弁護士からの内容証明・手紙が届いたら確認すべきこと

弁護士からの内容証明・手紙が届いたら確認すべきこと

弁護士名義の内容証明郵便が届いたときは、まずは落ち着いて文面をよく読みましょう。ポイントは、支払い義務の有無、請求額、回答期限の3つです。

本当に支払い義務があるのか

相手が「不貞行為があったため慰謝料を請求する」と主張していても、そもそも実際には法律上支払い義務がない場合があります。

支払い義務がないケースとしては、以下が挙げられます。

不貞行為が存在しない

そもそも不貞行為が存在しなければ、慰謝料は発生しません。

法的な意味での不貞行為とは、性行為を指します。いくら親しい仲であったとしても、性行為に及んでいなければ基本的に慰謝料の支払い義務はありません。ただし、ホテルでお風呂に一緒に入る、体を触り合うなど、性行為に近いことをしているケースでは慰謝料が発生する可能性はあります。

いずれにしても、単に手をつないだだけ、二人きりで食事に行っただけといった状況であれば、不貞行為にはなりません。一般的に「不倫」「浮気」と呼ばれていても、法律上の不貞行為に該当しない場合があるので注意してください。

既婚者であると過失なく知らなかった

実際に性行為をした事実があったとしても、相手が既婚者であると知らなければ、故意・過失がないとして慰謝料の支払い義務が発生しない可能性があります。

ただし、慰謝料請求を拒むには、単に既婚者だと知らなかっただけでなく、気がつくのが困難であった状況が必要です。たとえば、お見合いパーティーで出会い独身だと信じていたケースでは過失がないと考えられますが、会社の同僚であれば既婚者だと気がつくのは容易であったといえるでしょう。

婚姻関係が破綻していた

既に婚姻関係が破綻していた場合には、不貞行為によって婚姻関係を破壊されたとはいえないため、慰謝料支払い義務は生じません。

「婚姻関係が破綻していた」といえるのは、既に別居していた、離婚に向けた協議をしていたといったケースです。単に仲が悪いだけでは該当しません。

不貞行為をした時点で相手夫婦の関係がどうであったかもポイントになります。

消滅時効期間が経過している

消滅時効期間が経過しており、相手が請求権を行使できなくなっている可能性もあります。

民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権は「被害者が損害(不貞の事実)及び加害者(不貞相手)を知った時から3年」あるいは「不法行為の時から20年」で消滅時効にかかります(民法724条)。

時間が経ってから請求されたときには、消滅時効になっていないか確認しなければなりません。時効期間を経過していても、支払い義務を認めてしまうと時効を主張できないので注意してください。

請求額は妥当か

もし不貞行為を実際にしていたとしても、記載されている請求額が妥当かはチェックする必要があります。

判例上のおおまかな相場としては、50〜300万円程度です。その後、夫婦が離婚したか否か、婚姻期間の長さ、不貞の回数・期間の長さなどによって金額は変動します。

現実には、増額する特別な理由がないのに500万円など、不当に高い金額を請求してくるケースがよくあります。慰謝料は交渉によって減額が可能です。いったん応じてしまうと後から覆すのは困難であるため、安易に言い値で支払わないようにしてください。

回答期限はいつか

内容証明郵便には、回答期限が記載されているのが通常です。必ず確認しておきましょう。

期限が設定されていても、期限までに最終的な回答を出す法的な義務があるわけではありません。「検討の上、〇月〇日までに回答する」といった返事でも構いません。

 

内容証明・手紙は無視しても良い?

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届いた内容証明郵便を無視してはなりません。

弁護士に依頼している以上、相手は本気のはずです。無視していると、訴訟を提起するなど、強力な手段をとると考えられます。加えて、相手からの印象がより悪化し、減額や分割払いの交渉が困難になるリスクが高いです。

不貞の事実がない場合でも、自分の主張を伝える必要があります。すぐに回答できないにしても、決して無視してはなりません。

他にも、以下の対応は避けてください。

焦って支払いに応じる

無視はいけませんが、言われた金額を焦って支払う必要はありません。

前述の通り、請求額が裁判で認められるであろう金額より高いケースがよくあります。いったん支払いに応じてしまうと、後から覆すのは困難です。冷静になって、金額が妥当であるかを確認しましょう。

感情的にならない

感情的になって対応するのも避けてください。

感情に任せて対応すると、不用意な発言をして相手の怒りを増幅させる危険性が高いです。また、弁護士に電話を録音されるなどして、自分に不利な証拠を残されてしまう場合もあります。

突然弁護士から手紙が届き、動転するのは仕方ありません。とはいえ、感情的になった結果、トラブルが深刻化する可能性があります。いったん落ち着いて今後の対応を検討するのが重要です。

本人に直接連絡する

弁護士の名前で手紙が届いたときは、請求している本人には直接連絡しないでください。

本人に連絡すると互いが感情的になってトラブルになるおそれがあるほか、相手から厳しい言葉をかけられてストレスになる可能性もあります。弁護士を通して請求してきている以上、やり取りは弁護士との間でしましょう。

 

不貞の慰謝料を請求されたら弁護士をつけるべきか?

不貞の慰謝料を請求されたら弁護士をつけるべきか?

弁護士を通じて不貞慰謝料を請求されたら、ご自身も弁護士をつけるのがオススメです。

弁護士に依頼するメリットとしては、以下の点が挙げられます。

不利な立場に置かれるのを防げる

相手が弁護士をつけているのに、自分で交渉をすれば不利に進む可能性が高いです。不用意な発言で相手に証拠を与える、弁護士に言われるがまま書類にサインするといったリスクがあります。

自分も弁護士をつければ、対等な立場で交渉できます。

支払い義務がないときは請求を拒める

弁護士から請求していても、不貞の事実がなく、支払い義務がないケースはあります。しかし、不貞行為にあたらない場合でも「悪いことをしたから」と支払いに応じてしまいがちです。

ご自身も弁護士に依頼すれば、過去の事例も参考にして、慰謝料支払い義務の存否を判断できます。義務がないときは、法的に説得力があるように主張して支払いを拒否できます。

妥当な金額になるよう交渉できる

不貞行為が事実であれば、慰謝料の額が大きなポイントになります。これまで紹介した通り、請求額は判例上の相場よりも高い金額になっているケースが多いです。

自分にも弁護士がついていれば、金額の妥当性を検討したうえで、必要以上に慰謝料を支払う事態を回避できます。減額だけでなく、分割払いの交渉も可能です。弁護士費用を支払っても、十分に減額できればトータルでは得になります。

早期解決を図れる

訴訟をしてでも徹底的に争う姿勢の人もいますが、実は相手が早期に解決したいと考えているケースは多いです。交渉で早めに解決できれば、双方にとってメリットがあります。

互いに弁護士がついていれば感情を抑えて交渉でき、スムーズに解決しやすいです。トラブルを早めに解決して今後の生活に前向きになるには、弁護士への依頼が効果的です。

手続きを自分でやらずにすむ

訴訟になれば、書面の提出や出廷など、慣れていない方にとっては手続き面も大きな負担です。交渉でも、相手とのやりとりには手間やストレスがかかります。

弁護士に任せれば、各種手続きや相手とのやり取りを弁護士に任せられます。時間的にも精神的にも負担を大きく減らせる点は、弁護士に依頼するメリットのひとつです。

 

まとめ

集合写真

ここまで、不貞慰謝料を請求する手紙が届いた際の対処法を解説してきました。

郵便を受け取ったときは、まずは冷静になって、相手の主張する事実や請求額などを確認しましょう。不貞行為がなければ支払う必要はありません。行為が事実であっても、金額の交渉は可能です。無視せずに対応し、不利な条件で応じないようにしましょう。

 

不貞慰謝料を請求する内容証明郵便を受け取った方は、弁護士法人山本総合法律事務所までご相談ください。

当事務所は、群馬県内でも規模が大きい弁護士事務所のひとつで。群馬・高崎に周辺の地域の皆様から不貞慰謝料に関する数多くの相談を受けて参りました。百万円単位で減額に成功した事例も多数ございます。

不貞慰謝料に関する相談は無料です。弁護士から内容証明郵便が届いてお困りの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。